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今、話題の問題について考えてみます。
この問題を氷山の一角と捕らえることは危険です。
何故なら、建築業界の体質、体制に起因するからです。軽重はあっても、全ての建物に、その要素があると考えるべきです。
この問題を紐解く鍵は、
重層下請構造には致命的欠陥がある
コストダウンは誰のためのもの

この二つの言葉に集約されます。

今回の件は、重層下請構造として、以下の構図が見えます。
発注者は、マンション売値を即完を目指して売れ筋価格を参考にして最初に設定します。土地購入費を引き、利益を設定します。残ったのが元請工務店への発注金額です。この段階で一説には、坪単価45万円前後となり、既に、普通では出来ない価格となっています。元請工務店は、その範囲の中で利益を確保し、下請けに発注します。専門業者や職人は、まともに手をかけては赤字になります。よくしようと考えたりはしません。早く指示に沿って仕事を終わらせることだけを考えます。 設計事務所は、その厳しい価格に沿った設計(経済設計)を進めます。
皆様方は、何故、それほど厳しい仕事を受けるのか疑問に思われるでしょう。下請け業者は、仕事が回ることを第一主義とする傾向があります。回っている限り、対応の方法を生み出します。『仕事が無くなるのが怖い』のです。
そして、重層下請構造は、発注者や元請の意向が全てとなり、その範囲の中でしか、現場は動けません。今回の問題では、想定ですが、鉄筋工は、<おかしい>と疑問を持ったはずです。現場監督も同様の疑問を持ったはずです。しかし、疑問を差し挟むことは、自分の首を締めるこことなります。
技術者は、その持つ技術への誇りと良心は必ず持っています。その誇りと良心をスポイルするのは、発注者や元請の恣意的意向(コストダウン等)なのです。これが、重層下請構造の欠陥として露呈したものが今回の事件と言えます。
考えて見て下さい。発注者も建設会社も設計事務所も構造事務所も職人も、誰ひとりユーザーのことなど考えていません。考えていることは、利益確保・売上確保・継続受注・仕事の確保だけです。このことを続けると、誇りも失い、良心も麻痺し、癒着と馴れ合いの悪い部分が出てしまいます。
建築業を性善説と捕らえるか、性悪説と捕らえるか、ですが、技術者は基本的には、良い下請構造の建設業は性悪です。体制に問題がある限り、性悪説に立たざるを得ません。戸建住宅も、その体制であり、性悪説と言えます。
さて、コストダウンについてですが、【良い物を安く】と言います。ユーザーも求めます。建築業に良い物を安くはありません。安い物はそれなりの物です。建築業界は、事あればコストダウンの必要性を言います。しかし、このコストダウンは誰のために行われているのでしょう。コストダウンは、元請の利益確保、売上確保のためだけです。今回の発注者に当てはめれば、売るため有利となるよう、安く見せかけた価格を設定し利益を上げようとしただけです。建築業界の言うコストダウンは、元請けの利益のためだけで、その他は、ユーザーは勿論、発注者と下請けも、職人も、誰も利益を享受していません。元請けの利益のためにやってはいけない事をしてしまったのです。決して、ユーザーのためのものではありません。無理なコストダウンは、現場が荒れるだけで、ユーザーのためにならないのは、今回の事件で皆様もお分かりでしょう。
本当にユーザーのためになるのは、【適正価格】の追求です。【間接経費】の削除です。【重層下請構造】の一段階の見直しです。そして、質の向上です。根本的な体制の改革無く、小手先のコストダウン(下請けいじめ)をしても、質が下がるばかりです。
【適正価格】の追求を建築業界が行った事例は、私が知る限りありません。
先程述べた通り、請負契約は、常に
引き算で行われます。元請けの利益を引き-下請けの利益を引き-末端の業者に、それぞれ発注されます。元請けの利益の確保が最優先で、下請けの利益は少なく、そして、現場で手を動かす末端の業者に渡る金額は、どうしても適正と言えないレベルとなってしまい、真面目に仕事が出来ません。
本来あるべき姿は、現場で手を動かす業者や職人が技術への誇りや良心に基づき、意欲を持って行動できる適正な金額を個々に積み上げ、そして、そこに必要な経費、必要な利益を計上すること、言わば、
足し算によるコストの決定ではありませんか。
ただし、現在の体制では、ゼネコンや住宅メーカーの利益が大きく、この手法を取ると大幅にコストがアップすることとなり、ユーザーの理解が得られません。
このように考えると、【適正価格】の追求の前に、【間接経費】(営業マン・展示場・経費等)の削除と重層下請構造の見直しが先決となります。これこそ、ユーザーの利益なのですが、長年に渡って組み立てられた仕組みを変えることは不可能に近いことではあります。

家を計画している貴方に言いたい
「いい家を安く」と考えてはいけません!
住宅産業の体制に疑問を持ち、矛盾点に気が付いて、自己防衛をしなければなりません。営業マンに今回の問題を聞いてください。『当社は大丈夫です。』と言うでしょう。しかし、体制の構図は大差ありません。営業マンの言葉など聞く必要すら認めたくはありません。
ユーザーは真贋を見抜く目を持つために、時間を掛けて情報を集め、勉強を重ねて行うことしかありません。営業マンのペースにはまっては行けないのです。
妥協の産物としての家を建ててはいけません!

◆もし、このページを設計事務所の代表者が見ているのなら、声を大にして言いたい。
設計事務所は、独立性を保たねばなりません。この建築業の愚かな体制から脱却して、ひたすらお客様の利益のためだけに活動し、その技術への誇りと良心を発揮することが、存在理由であり、社会的責任を果たすこととなると考えなければなりません。
貴方の技術をお客様の喜びのためだけに発揮しよう!
何故、貴方は一級建築士なのですか?
大きな資金を投下して、長年の夢を実現しようとするお客様の思いに応えることではないのですか!
決して、住宅メーカーやゼネコンや工務店の利益のために存在するのではありません!


◆もし、このページを技術のある職人が見ているのなら、声を大にして言いたい。
あなたの技術をお客様のためだけに発揮して欲しい。決して、元請けの利益のために荒れた仕事に手を出して欲しくありません。一人たりとも、家を作って、後悔し、悲嘆に暮れる日々を送ることの無いように、貴方の培った技術をお客様の喜びに満ちた顔を思い浮かべて使って欲しい。貴方の丁寧で良心的な仕事を評価してくれるお客様がいると希望をもって欲しい。
今は無理かもしれないが、
必ず、貴方達が高く評価される時が来ると思って!
再度、設計事務所と職人に言います。

元請けの利益のために、貴方達の技術を切り売りするのは止めよう!
技術への誇りと良心を持って!

家づくりを、姿勢が正しく、レベルの高い、設計事務所と職人が、お客様と一体となって楽しみながら作り上げて行くことのみが、この根深い問題を解決する唯一の方法と確信するのです。


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